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ファクタリングとABL・保証ファクタリングの違い

最終更新日:  | 監修: 渡辺 健(中小企業診断士・AFP)

ファクタリングには買取型のほか、保証型ファクタリング・ABL(動産担保融資)という関連手法があります。それぞれ仕組みと用途が異なるため、正しく使い分ければ資金調達の選択肢が広がります。本記事では3つを比較し、使い分けを整理します。

1. 買取型ファクタリング

買取型ファクタリングは、本サイトでメインに扱う一般的なファクタリングです。売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化する取引。

特徴

向いているケース

詳細はファクタリングとはを参照。

2. 保証型ファクタリング

保証型ファクタリングは売掛債権の貸倒れリスクをファクタリング会社が保証する仕組みで、現金化ではなくリスクヘッジが目的です。

仕組み

  1. 事業者がファクタリング会社に保証料を支払う
  2. 売掛先が期日に支払えばそのまま事業者が受領
  3. 売掛先が倒産・未払いの場合、ファクタリング会社が保証金を支払う

特徴

向いているケース

大手ではオリエントコーポレーション・三菱UFJファクター等が保証ファクタリングを提供しています。

3. ABL(動産担保融資)

ABL(Asset Based Lending)は、売掛債権や在庫・機械設備等の動産を担保に銀行から融資を受ける手法です。ファクタリングに似ていますが、融資(借入)である点が根本的に異なります。

仕組み

  1. 事業者が売掛債権・在庫を銀行に担保提供
  2. 銀行が担保価値の50〜80%を融資
  3. 事業者が毎月元利を返済
  4. 担保評価は定期的に見直し

特徴

向いているケース

4. 3つの比較表

項目買取型ファクタリング保証型ファクタリングABL
目的早期資金化貸倒リスクヘッジ資金調達(借入)
法的性質債権譲渡(売買)保証契約融資 + 担保
現金化機能ありなしあり
コスト手数料1〜20%保証料1〜5%/年金利2〜5%/年
スピード即日〜数日1〜2週間1〜2ヶ月
返済義務なしなしあり
B/S影響資産振替ほぼなし負債増加
担保・保証人不要不要動産担保要
主な利用層中小・個人中堅中堅・大手

5. 使い分けのガイド

短期の資金繰り改善 → 買取型ファクタリング

貸倒リスク対策 → 保証型ファクタリング

中長期の運転資金 → ABL

併用戦略

実務では「ABL + 買取型ファクタリング」の組み合わせが有効です。中長期はABLで安定資金を確保し、突発的な資金需要は買取型ファクタリングで即応する形。このハイブリッド運用で、低コストと機動性を両立できます。

ファクタリング会社の比較は会社一覧、目的別の使い分けはフリーランスランキング金額別ランキングを参照してください。

6. よくある質問

保証型ファクタリングは個人事業主でも使える?

一般的に中堅・大手企業向けの商品で、個人事業主向けはほぼ存在しません。個人・フリーランスは買取型が中心になります。

ABLとファクタリングは併用できる?

併用可能です。ABLで長期資金を確保し、突発需要をファクタリングで補う形は合理的です。

どれが一番安い?

金利だけ見ればABLが最安(年2〜5%)。ただしABLは長期返済義務があり、ファクタリングは一括で終了します。期間・用途で評価軸が異なります。

保証型ファクタリングとはどういう仕組み?

保証型ファクタリングは売掛金を売却するのではなく、売掛先の倒産・支払不能時に保険金のように保証金が支払われる商品です。現金化ではなく「貸倒リスクのヘッジ」が目的で、毎月保証料(年0.5〜3%)を払い続ける形が典型です。オリックス・三菱UFJファクター等の大手が提供し、取引先の信用リスクが高い業種(建設・運送・卸売)で活用されます。買取型と保証型は目的が根本的に異なります。

ABL(動産・債権担保融資)とは何?

ABLはAsset Based Lendingの略で、売掛債権や在庫(商品・原材料)を担保にして銀行・ノンバンクから融資を受ける仕組みです。日本公庫・商工中金・地銀が取扱い、金利2〜5%・融資期間1〜5年が相場です。ファクタリングと違い融資なので負債計上され、担保価値の定期モニタリング(月次報告等)が必要です。債権譲渡登記を留保型で設定するケースが多いです。

買取型ファクタリングとの使い分けは?

①緊急の資金調達が必要→買取型ファクタリング(即日)②取引先の倒産リスクをヘッジしたい→保証型ファクタリング(月次保証料)③運転資金を低金利で長期調達したい→ABL(融資)、という使い分けが合理的です。買取型と保証型は独立した商品なので併用可能ですが、同一債権に両方をかけることはできません。ABLと保証型は目的が重なり得るので費用対効果で選択します。

保証型の審査で重視される点は?

保証型は売掛先の信用力だけでなく、過去の取引履歴・回収実績も重視されます。保証会社は代位弁済リスクを自社で負うため、売掛先の財務・業歴・公的信用情報(帝国DB・東京商工R)を詳細にチェックします。一度の未払い実績がある取引先は保証範囲外になることもあります。審査期間は1〜3週間と長めで、買取型より格段に厳格です。

保証料の相場はどのくらい?

保証料は売掛先の信用力・業種・契約期間で変動しますが、一般的な相場は年0.5〜3%(売掛金額面ベース)です。上場企業相手なら0.5〜1%、中小企業なら1.5〜3%が目安です。毎月の保証料として前払いするケースが多く、年間契約の包括保証(全売掛先まとめて)と個別契約(特定売掛先のみ)で料率が異なります。貸倒実損が発生した場合のみ保証金が支払われます。

ABLと買取型ファクタリング、どちらが得?

コスト面ではABL(年利2〜5%)が圧倒的に安いですが、審査ハードルは高く担保評価・月次報告の手間もかかります。買取型は手数料高め(2社間5〜20%)ですが、審査が柔軟で即日対応可能です。安定した企業で運転資金を継続的に調達するならABL、単発の資金ニーズならファクタリング、が合理的です。併用も可能で、メイン資金はABL・緊急時のみファクタリング、という運用も現実的です。

保証型の保証範囲はどこまで?

一般的に「売掛先の倒産・法的整理・手形不渡り・任意整理」が保証事由です。支払遅延のみ(倒産してない)は保証対象外のケースが多く、「90日以上の入金遅延」を保証事由に含めるかは契約次第です。保証限度額は取引先ごとに設定され、超過分は自己負担です。契約書で「保証事由」「免責期間」「通知義務」を必ず確認してください。虚偽申告は保証拒絶の典型理由です。

個人事業主でABLは使える?

個人事業主でもABLは利用可能ですが、実務上ハードルは高めです。法人より担保評価が難しく、銀行は法人優先で審査する傾向があります。日本政策金融公庫の「売掛債権担保融資」は個人事業主でも利用可能で、担保評価額の70〜80%まで融資されます。ただしフリーランス・零細事業主向けとしては、買取型ファクタリングの方が現実的な選択肢です。

保証・ABL・買取の3者を併用できる?

原則として同一売掛金に買取型とABLの両方をかけることはできません(債権譲渡先が競合)。しかし売掛先ごとに使い分ければ可能です。例:A社売掛金はABLで担保融資、B社売掛金は買取型、C社売掛金は保証型、という組合せです。保証型と買取型の同時適用は契約上排除されることが多いです。複雑になるので、中小企業診断士や税理士と相談して設計するのが安全です。

渡辺健 中小企業診断士
本記事の監修: 渡辺 健(中小企業診断士・AFP)
大手都市銀行で法人融資を15年担当後、独立。中小企業の資金繰り相談実績500件以上。
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