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Column / 業種別

医療介護報酬ファクタリング

最終更新日:  | 監修: 渡辺 健(中小企業診断士・AFP)

医療介護報酬ファクタリングは、国保連・社保基金からの診療報酬・介護報酬を早期現金化するサービスです。売掛先が公的機関のため手数料が0.5〜3%と極めて低く、医療・介護事業者の運転資金補填に広く活用されています。

1. 医療介護報酬ファクタリングとは

医療介護報酬ファクタリングとは、医療機関・介護事業者が国保連(国民健康保険団体連合会)・社保基金(社会保険診療報酬支払基金)に対して保有する診療報酬債権・介護報酬債権を早期現金化するサービスです。

対象となる債権

なぜ需要がある?

医療・介護の公的給付は診療月の翌々月に入金されるため、タイムラグが約2ヶ月あります。小規模クリニック・介護事業者では、この間の人件費・家賃・医薬品仕入れの資金繰りが問題になるため、早期現金化ニーズが高いです。

2. 仕組みとタイムライン

診療報酬の入金サイクル

  1. 診療月(1月): 患者への診療を実施
  2. 請求月(210日): レセプトを国保連・社保基金に提出
  3. 審査: 国保連・社保基金が審査(約1ヶ月)
  4. 入金月(320日頃): 医療機関に支払

つまり1月の診療分は3月下旬入金で、約2ヶ月のタイムラグがあります。

ファクタリング利用時

  1. 医療機関がレセプト提出(210日)
  2. ファクタリング会社がレセプト金額の70〜90%を前払(2月中旬)
  3. 3月下旬、国保連・社保基金からファクタリング会社に直接入金
  4. ファクタリング会社が残額(手数料控除後)を医療機関に送金

これにより実質1ヶ月以上の前倒しで現金を得られます。

3. 手数料が低い理由

医療介護報酬ファクタリングの手数料は0.5〜3%と、通常のファクタリングの1/10以下です。

低手数料の理由

レセプト減額率

国保連・社保基金の審査で1〜3%の減額が発生することがあります。ファクタリング会社はこれを加味して買取率を設定するため、実質手取りは95〜98%程度になります。

4. 注意点

契約上の注意

デメリット

代替手段との比較

短期・継続の資金繰り改善にはファクタリング、中長期は融資が基本です。

5. 対応会社と選び方

医療介護報酬ファクタリング対応会社

選び方のポイント

6. よくある質問

歯科クリニックでも利用できる?

はい、歯科・整形外科・調剤薬局など、国保連・社保基金に請求する医療機関全般で利用可能です。

レセプト減額分は誰が負担?

通常は医療機関側の負担になります。契約書で減額処理の方法を必ず確認してください。

訪問介護事業者でも使える?

はい、介護保険請求を行う事業者なら介護報酬ファクタリングを利用できます。介護特化の会社も存在します。

診療報酬債権ファクタリングとは?

医療機関が国民健康保険団体連合会(国保連)・社会保険診療報酬支払基金(社保基金)に対して持つ診療報酬請求権を買取る商品です。医療機関が請求してから実際の入金までに約2ヶ月のタイムラグがあり、その期間の資金繰りを支援します。国保連・社保基金は公的機関なので貸倒リスクが極小で、手数料は1〜5%と低水準(3社間ベース)。医療業界向けの特殊ファクタリングです。

介護報酬ファクタリングはどう違う?

介護報酬ファクタリングは介護保険請求を行う事業者向けで、国民健康保険団体連合会(国保連)が支払者になります。診療報酬と同じく2ヶ月のタイムラグがあり、公的債権のため手数料は1〜5%と低水準。対象事業者は訪問介護・通所介護・居宅介護支援・老健・特養等、介護保険請求を行う全事業者です。医療と介護は別スキームですが、構造は類似しています。

レセプト査定減額のリスクは?

国保連・社保基金の査定で請求が一部減額される(査定減額)ケースがあり、その減額分はファクタリング会社が買取った額と差額が生じます。通常は医療機関側の負担で、契約書で「査定減額分は事業者が補填する」旨の条項が記載されます。減額率は通常2〜5%程度。正確な減額予測を立てて申込むのが重要です。

歯科・薬局でも使える?

使えます。歯科医院・調剤薬局・接骨院・訪問看護ステーション等、国保連・社保基金に請求する医療関連事業者は全て対象です。歯科は特に季節変動が大きく、ファクタリング活用が有効。薬局は在庫回転が速いためキャッシュフロー改善効果が大きいです。医療特化会社(日本医療事業支援機構・MFS等)が各業態に精通しています。

医療特化ファクタリング会社の特徴は?

①低手数料(1〜5%、通常ファクタリングより圧倒的に安い)②審査スピード速い(公的債権のため)③スピード入金(2〜5営業日)④大口対応(1億円以上も可能)⑤継続取引前提(月次包括契約)、が特徴です。代表的会社は日本医療事業支援機構・MFS・メディカルファクタリング・ジャパンインベストメントデザイン等があります。

審査で重視される書類は?

①診療報酬請求書(レセプト総括表)②通帳(国保連・社保基金からの入金履歴)③医療機関の開設許可証・保険医療機関指定通知書④法人登記簿(医療法人の場合)⑤決算書2期分、が基本書類です。公的機関からの安定入金が主な審査ポイントで、個人診療所でも利用可能です。電子レセプトのCSVデータ提出で審査が早まるケースもあります。

医療法人特有の注意点は?

医療法人の場合、理事長個人の承認が必要なケースがあります。また、社会医療法人・特定医療法人等の特殊法人は、公益性の観点から債権譲渡に制約があることも。医療法・医療法人定款を確認し、必要な決議(理事会・社員総会)を経てから契約してください。医療法人税制・厚生局への報告義務等も事前確認が必要です。

開業資金・設備投資に使える?

診療報酬ファクタリングは運転資金向けが基本で、開業直後(請求実績なし)は利用できません。開業3〜6ヶ月後、請求実績が積み上がってから利用可能になります。設備投資資金としては、医療機関向けリース(メディカルリース)や日本政策金融公庫の医療施設貸付の方が低コストで長期融資が受けられ合理的です。

大口契約(月1億円以上)は可能?

可能です。大規模病院・複数診療所展開法人なら月1億円以上の診療報酬ファクタリングも現実的。大口なら手数料は1〜2%台まで下がり、包括契約(月次自動ファクタリング)でスピードも最短化できます。大手ファクタリング会社(三菱UFJファクター・みずほファクター等)の医療部門に相談すると、低コスト・大口対応が可能です。

渡辺健 中小企業診断士
本記事の監修: 渡辺 健(中小企業診断士・AFP)
大手都市銀行で法人融資を15年担当後、独立。中小企業の資金繰り相談実績500件以上。
監修者プロフィール →
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